婦人科専門医が教える更年期障害のセルフケア

横浜の病院で婦人科専門医をしています。このブログで、更年期の症状の解消法を紹介しています。ぜひ参考にしてくださ い。プレ更年期や更年期はだれにでもやってきますが、つらい更年期の症状にならないように予防することができます。

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すごく疲れやすい、疲れがなかなかとれない、体がだるい、だんだん体力が落ちているのを感じる、寝ないとてき面に翌日に響く、などはプレ更年期によく見られる症状です。

寝不足でも、若いときはなんとかもっだけれど、今は寝不足が続くだけで風邪を引いたり、だるくなったり。仕事にならなくなることが増えてきます。

それから、食べたあとに疲れが出ることもあります。食べると眠くなって寝てしまうことも。食事をして胃腸が働くと、血流がそこにいつて、エネルギーを使います。すると、夕食のあとに疲れてソファーから動けなくなって、「どうしてそんなに寝てばかりいるの」と家族から非難されることも。睡眠時間が長くなりがちなのも、疲れている証拠です。

女性ホルモンのバランスの低下が原因

体力が低下して、疲れやすくなるのは、プレ更年期の兆候のひとつです。女性ホルモンが低下すると、疲れやすくなって、疲労回復が遅れます。

すると意欲まで減退し、やる気が出ません。特に、30代後半から40代は仕事も家庭生活もやることがあって、人生の中でもっとも忙しい年代。

それなのに今までどおりに仕事も家庭生活もこなせないと、実際以上にすごく体力が落ちたように感しがちです。女性ホルモンのバランスの崩れが原因なのです。
年齢とともに自信がなくなった...


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骨がスカスカになってもろくなる

骨量が低下して、骨がもろく折れやすくなるのが骨粗鬆症です。女性ホルモンのエストロゲンには、骨の密度を
保つ働きがあるため、月経があるうちは骨量がある程度保たれていました。

しかしエストロゲンが減少すると、骨量はどんどん低下して骨がもろい状態になっていきます。また、骨折しやすくなります。

加齢とともにカルシウムの吸収力も落ちるので、これも骨粗鬆症が進む原因となります。

特に女性は骨が減りやすく、40歳を過ぎると年間3~4%もの骨が失われていきます。こうした骨の減少は10年以上続ぐため、油断していると大変なことになります。

骨がもろくなることで骨折しやすくなる

初期のうちはとくに自覚症状はありませんが、進んでいくと弱くなった背骨を筋肉が支えるため、背中から腰にかけて疲れやすく痛みがあらわれます。背中や腰が曲がり、身長がやや低くなります。

骨粗鬆症になると軽く尻もちをついたり、くしゃみをしただけで背骨を圧迫骨折したり、手をついただけで手首の骨折をするなど、軽い衝撃でも骨折しやすくなります。

骨粗鬆症の人は骨折の治りが悪く、股関節の大腿骨頸部骨折などが起きると、安静にしているうちにそのまま寝たきりになったり、老人性認知症などが進んでしまうなど、高齢期の生活の質の低下をまねくので注意が必要です。

食生活や運動で予防することが大切

骨粗鬆症は予防が何よりも大切です。食事によるカルシウムの摂取に加えて、筋肉を鍛える適度な運動、さらにカルシウムの吸収を助けるビタミンDを活性化する日光浴も有効です。

カルシウムの多いもの

牛乳、チーズ、もめん豆腐、煮干し、乾燥ひじき、小松菜厚揚げ、ヨーグルトなど

ビタミンDの多いもの

干ししいたけ、しらす干し、イワシ丸干しきくらげなど
年齢とともに自信がなくなった...

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女性が更年期に対して怖さを覚えてしまうことは、この時期に生じる更年期の症状が「不定愁訴」と呼ばれていることからも推しはかることができます。

更年期症状の典型的なもの(太りやすくなったり、冷えとのぼせというまったく逆の症状を同時に訴えたり、動悸や息切れ、めまい、イライラ、倦怠感、憂うつ、不眠など)」が日々変わる(不定)と訴え(愁訴)、また症状の種類も大によってさまざまなだめ、他人の例を見聞きしても、必ずしも自分にぴったりとあてはまるとは限らないことが多々あります。

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